こういう事ってなかったですか?
フィルムカメラの時代(ネガフイルム)、うさぎ写真店とカメ写真店で印刷した物を比べると、どうも色の出方が違う。
アマチュアカメラマンの多くは、それで、色々な写真屋さんに同じ写真を印刷してもらい、その中から、自分の好みに一致する写真屋さんを見つけていた方が多かったと思います。
中には、どの写真屋さんに出しても、自分の期待する色が出なくて、いわゆるプロラボという所に、色の指示をして焼いてもらった方もいるでしょう。
やはり、その場合でも、色というイメージの世界を、言語で伝達するには、限りがあり何回かの試行を経て、ベストと思われる印刷を本印刷にしていたと思います。
フィルム時代の色の再現性というのは、正確性という意味では、リバーサルフィルムで撮影し、その現像ポジを持って印刷時に、ポジ通りという指示を出せば、写真撮影者と印刷者の間で、色認識が同一となり、より正確に色が出せていた時代です。
ポジフイルムから印刷という工程では、色の基準は、言うまでもなくポジフイルムでした。
比較する基準が明確な時代でしたので、特に、色を管理するという事を 声を大にして言わなくても、カメラマンから、印刷までの一連の作業の中で、明確な色の基準があり、それに元ずいて作業をしていたと見なす事ができます。
でも、ネガフィルムには、その色としての基準がないが為に、写真印刷屋毎に違う色が出ていました。
また、人間の目は、色を覚えるという事に関しては、鈍感で、頭で覚えている色は、多く場合、現実の色を誇張した形で覚えられていると言われます。
この頭の中に覚えられている色の事を 記憶色 と呼びます。
ネガフイルムでは、色が反転されてフイルム上に再現されており、人の知覚と物理的なフィルムの間に相違があり、この誇張された記憶色を印刷する方向に、自動プリントが発達したようです。
正確な色と 記憶された色は 違うという事を 認識して下さい。
そうこうしている間に、アップルというメーカがDTPという世界にターゲットを絞って、電子出版という世界に踊り出てきました。
アップルでは、DTPの世界を扱った以上、写真に対しても、色をきちんと扱う事を提唱しました。
これが、カラーマネージメント(=CMS)という言葉が、普及したきっかけだと私は思っています。
Windowsは、特にDTPをターゲットにしたOSではなかったので、色に関しては、アップルに比較すれば、何もない時代が、長期にわたりました。
そこに、フィルムスキャナーや数万円でカラー印刷ができるプリンターが普及し出した時から、この世界は、一気に転換気を迎えるに至ります。
カメラマンの多くは、撮影内容が自宅でパソコン上に表示し そして印刷できる事に 一喜一憂することになります。
ある場合は、凄く綺麗に印刷できるけど、ある場合は、思った通りの色が出ない。
ある人は、ポジフィルムで撮影し、それをスキャナーでパソコンに取り込み、モニターに表示し、プリンターで印刷しました。
モニターに表示したら、元のポジフイルムと色がちがうし、モニターに表示されている画像を印刷したら、また、色が違う。
モニターに表示されている物が違うから、モニターを調整すればいいんだと思って、何十回にわたってモニターの色調整をします。調整している間に、目は、順応という特性を発揮して、だんだんと、調整している色に対して鈍感になって行きます。
今日調整した物でも、次の日に見たら、全く違う色になっている。???
やっと調整し 自分を納得させてモニターに映し出された画像を、印刷してみると、やっぱり色が変わっている。
マゼンダに偏っているから、その補色である緑を足せば、適正な画像になるんだろうと思って印刷してみる。
あれれ、今度は、緑過ぎ...
他の白い箇所も、緑かぶり...
こいう事を何回も繰り替えて やっと まともに印刷できた。
1枚印刷するのに、ゴミ箱行きになったものが、数十枚なんて事もあったと思います。
しかし、更に、違う画像を印刷したとたん、モニターも印刷も全て違う色で表示・印刷されてしまいました。
結局は、色を合わせこむなんてできない事に 多いに納得してしまい、記憶色で印刷できたら それでいいや〜と言うように自分を納得させて、プリンタの綺麗ボタンで印刷すると、元の色とは違うけど、綺麗だから許す。
という経験を持った方が 多いのではないでしょうか。
正しい方法論を持って、正しく各機器を調整してあげると、手動でも、ある程度の色を入力、表示、印刷で合わせられるのですが、正しい手順をやっても、人間の目って ぼんくら者ですから、安定性という面では、多いに問題がありました。
デジタルカメラの基準って
ネガフィルムの時代もそうでしたが、デジタルカメラの時代になって、見かけ上、色の基準がなくなってしまったんじゃないでしょうか。
いったいデジタルカメラで撮影した場合、デジタルカメラの本当の色を確認するには、どうするのでしょうか?
これに関しては、色々な解釈がありますが、それをパソコンで取り込んでモニター表示した物が、元のデジタルカメラの色とした方が扱いやすそうです。
でも、モニターで表示される色は、各モニターでも異なるのは周知の事実です。
大きな電気屋さんで、同一画像が、色々なモニターで表示しているのを見ても 各モニターでの発色の仕方が違うのは皆さんの経験している所です。
デジタルカメラになってから、ポジフィルムの時よりも、色に関しては、より曖昧な時代を迎えたかも知れません。
あるいは、デジタルカメラは、本当の色のわからない 記憶色勝負の ネガカラーの時代になったのかも知れません。
ネガカラーなら、お勧めは、記憶色の再現を目標とした 自動プリントが最適です。
写真を撮影して印刷するまで行う人の中で、記憶色豊かに綺麗に印刷できたら、それがベストとしている方であれば、ここの記事に関しては、これ以上、読む必要はないでしょう。
しかし、綺麗という言葉は、とても主観的です。
主観的要素が多い場合、世の常ですが、それを工業的(繰り返し同一のサービス・機能を提供するという意味)に安定させるのは、難しいようです。
人によっては、工業的なデキ・不デキは、それも一つの写真印刷の醍醐味だと、認識をする人たちにとっては、この不安定要素も、楽しみになるのかも知れません。
でも、工業的作業を要求されるプロカメラマンには、この考え方は、受けいれられる物ではないように思えます。
本来CMSが目指している事は、写真をイメージ通りに最終形態に持って行く為の方法論です。
正しく画像データを入力し、場合によって、画像編集ソフトウェアでクリエイティブに加工し、加工された画像データをそのクリエイティブ作業結果を余す事なく、正しく最終表示・印刷物に反映して行く。
これが、正しい画像の入力から出力までのあり方です。
もし、画像編集ソフトウェアに、綺麗ボタンで、画像を編集できる機能があつて、それを利用する事で、自動的に画像が編集されるのであれば、その綺麗に編集された画像をモニター上で事前確認できれば、印刷するコストも時間も節約できます。
節約できた時間は、更に画像を編集する事に割く事ができ、更にクリエィティブな度合いが高くできるかも知れません。
その為には、編集されモニター上にうつしだされている画像が、きちんと、プリンタに印刷できなければなりません。
このように、正しく画像データを扱う事と 綺麗にデータを処理するという事は 違います。
また、綺麗ボタンがプリンタに付いていたとしても、プリンターメーカが期待しているスペックで、綺麗ボタンの効果が印刷結果に反映されるとは限りません。
CMSを行わない本当の意味
CMSを適用しない本当の意味は、いったいどういう所にあるのでしょうか?
CMSを行うには、投資効果がわからないから実施しない、その一点に尽きると思います。
CMSに関する話題を聞いてみると、結局は、理解が難しいからとか、私は綺麗派だからとか、自己流のやり方で十分に満足しているとか、そう言う理由は、CMSを導入しない本質の理由では、ないですね。
CMS適用効果が簡単にわかるのであれば、誰もが適用してみたいと考えるのが、普通だと思えます。
当方で、ICCプロファイル適用サービスを開始したのは、投資効果が購入前にわかれば、誰もが、色の呪縛からある程度開放されるのではないかと考えたためです。