ICCプリンタプロファイルサービスを利用する時に役に立つ知識をまとめてあります。
CMS(Color Managemet System)の詳細な内容を理解するには、それを理解する人の様々な知識背景に従って、色々なレベルの解説が必要となります。
当方では、全くCMSを知らない人でも、手順に従って利用すれば、CMSの恩恵が受けられる事をメインに記述しています。
また、当方HPの「3.研究室」では、主に、高校程度の数学の知識のある人をメインに色々なCMSに関する話題を説明しています。
以下に、最低限の事前知識を解説致します。
プリンターキャリブレーションとは、プリンターメーカが、そのプリンターを使用する時の、プリンター間の個体差を無くした状態にプリンターをハードレベル(ファームウェアあるいはプリンタードライバーのレベルの場合もあります)で調整する事です。
プリンターキャリブレーション(以降「キャリブレーション」と略す)は、重要です。
キャリブレーションが存在しないという事は、メーカが想定している色が出ない原因となります。
過去ヒット機種となっている数万円のインクジェットプリンターでも、プリンター間の個体差は、dE(色の偏差の度合い)で10以上ありました。
以下 図2.2.1.Aは dEが10の例です。

-図2.2.1.A-
左が本来の正しい色とした場合、キャリブレーションがされていないプリンターでは、右のようにマゼンダの入った色合いとなる場合がある事を示しています。
このように、プリンターが正しくキャリブレーションされていないと、色は正しく印刷されません。
キャリブレーション機構が提供されているプリンターは、10万円以下では、EPSON PX-5500(2006年8月時点)が有名です。
ICCプリンタープロファイルは、印刷用紙に印刷された内容に対して、印刷内容がどのような色特性を持っているのかを定義した情報の固まりの事を示しています。
印刷内容に対して色特性を決めているものには、様々な要因が関わっていると言われています。
プリンター用紙 / プリンター本体 / インク / プリンタ-ドライバの画質設定 / 温度 / 湿度 / 印刷乾燥時間 / キャリブレーションの度合い ...
キャリブレーションが正しく行われても、プリンター用紙が異なったり、プリンタ-ドライバの画質設定が異なったりすれば、色は正しく出ない可能性があります。
ICCプリンタープロファイルでは、元データと出力データに着目して、その間にある様々な上記変動要因をブラックボツクスとして一つの変動要因と見なします。

-図2.2.1.B-
図2.2.1.Bは、元データである画像データが、「様々な変動要因」を受けて、出力データである印刷に反映されている事を模式的に表しています。

-図2.2.1.C-
図2.2.1.Cは、「様々な変動要因」を、「元データと出力データの対応表」で代価している事を示しています。
この対応表を、ICCプリンタープロファイルと定義しています。
ここで「様々な変動要因」と一つの言葉で示しましたが、本来は、「ある条件の元での印刷時の色特性」と示す方が、ICCプリンタープロファイルの意味合いをあらわしています。
プリンターメーカあるいは用紙メーカは、ICCプリンタープロファイルを提供しております。
これを、汎用プロファイルと呼びます。
汎用プロファイルは、様々な変動要因を一つに限定して作成されたプロファイルです。
例えば、プリンタ間の個体差まで考慮されていない為、厳密な意味では、正しく色を出力データにまで反映できません。
キャリブレーションができたプリンターでは、プリンタ間の個体差が吸収されている為、(キャリブレーションがされた状態で作成された)汎用プロファイルは、プロファイルの品質に従った精度で、色が出力される可能性が高いと思われます。
逆に、キャリプレーションがされていなくても、プリンタの固体差が少ない場合には、汎用プロファイルでも、ある程度の効果が期待ができます。
個別プロファイルとは、キャリブレーションの可否も様々な変動要因の一つとして作成されたプロファイルです。
特に、キャリブレーション機構を持たないプリンターでは、個別プロファイルの適用が、キャリブレーションの適用されたプリンタに汎用プロファイルを使用したのと、同等の効果を期待できます。
また、プロファイルの提供されていない用紙においては、個別プロファイルを作成しないと、正しい色の再現は望めません。
プロファイルによる効果の度合いは、概念的には、以下の形となります。
汎用プロファイル + プリンターキャリブレーション = 個別プロファイル
但し、キャリブレーションが、プリンタ特性を厳密にキャリブレートできない機種は、汎用プロファイルがどんなに高精度でも、その効果は高くない事になります。
-注意-
個別プロファイルの適用時においても、キャリブレーションができる機器の場合には、キャリブレーションをする事をお勧めします。
プロファイルは、その出力媒体についての色特性を記述しておりますが、元データの対象としては、1677万色(RGB=256色*256色*256色)が考えられます。
一番良い精度のプロファイルは、元データ 1677万色に対して、出力データがどのようになるのかを、計測しプロファイルを作成すれば良いと考えられます。
しかし、この膨大な数の色を扱うには、計測する時間や、作成されたプロファイルの大きさを考えれば、現実的ではありません。
1000色程度の色を計測する事から、プロファイルを作成する事が多いようです。
ざつくり言ってしまえば、1000色で、その1.6万倍の色を代表させているわけですから、その精度(元データが正しく出力データに反映されること)は、完璧にはなり得ません。
また、出力装置が、1677万色の色を区別して印字できる性能も持ち合わせないかも知れません。
プロファイルは、根本的に色の範囲や均質性が違う装置間で、機械的に効率的に平均的に色を合わせる機構です。
プロファイル作成サービスを利用するにあたり、3種類の印刷があります。
各々の相違をまとめてありますので、確認願います。
実施例は、後述する「準備と依頼」「評価」の箇所で説明しています。
ICCプリンタプロファイルを作成する時に必要となるカラーチャートを印刷する時の方法です。
検証画像データの印刷には、実際には2種類あります。
検証画像(現状)印刷は、現在のお客様が課題とされている画像品質を当方で認識させて頂く為に、お客様が日頃印刷されている環境・方法で印刷して頂くものです。
検証画像((プロファイル)適用後)印刷は、新規に今回作成されたプロファイルをお客様が購入前に、プロファイル適用時の効果をお客様のプリンタを用いて事前確認して頂く印刷方法です。
これは、プロファイル入手後に、プロファイルを適用して印刷する方法です。
この方法は、プリンターメーカや、用紙メーカで、プロファイルの印刷方法として公開されていますので、メーカサイトも適時参照して頂ければよいと思います。
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印刷種類
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対象画像データの特徴
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印刷ダイアログ
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PhotoShop側
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プリンタドライバ側
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A.カラーチャート
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tifファイル
プロファイル添付なし |
カラー処理:
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プリンターによるカラー処理
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全ての印刷で同一設定
EPSONプリンタでの例 |
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B.検証画像(適用後)
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jpegファイル
プロファイル添付なし |
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C.プロファイル適用
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画像データに適切な作業用プロファイルが添付されている
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カラー処理:
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PhotoShopによるカラー処理
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プリンタープロファイル:
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提供プロファイル
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マッチング方法:
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「知覚的」か「相対的な色域を維持」を選択
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-重要-
上記3種類の印刷で、プリンタドライバ側の設定は、色あるいは画像品質に影響を与えるパラメータは全て同一でなければ、プリンタプロファイルが有効に働きません。
但し、用紙サイズは、用紙種類が同一であれば画像品質に影響を与えませんので、変更が可能です。
用紙の選択条件は、人様々です。
プロファイルを作成するにあたり、どの用紙で作成したら良いのかについて、少しアドバイスさせて頂きますので、参考にして下さい。
基本的には、蛍光増白材の少ない用紙の方が、長期に渡って安定した色が期待できます。
蛍光増白材は、波長の短い光を吸収して、それよりも波長の長い青白領域の光を増強した形で放射する特性があります。
これによって、白い用紙が、その青白さによって、より白く見えることになります。
大概の用紙には、蛍光増白材は少なからず使われておりますが、長期使用による経年変化により、用紙が黄ばむ原因ともなっています。
蛍光増白材の少ない材質の用紙をお使いする事をお勧めします。
まずは、用紙メーカにそういう観点で、聞いてもらうのが良いと思います。
研究室にも今後、この情報は掲載して行きます。
マット系は、測色的には、マット系に使われるインク特性も含めて、光沢系と比較すると、特にシャドウ域の色領域が狭くなっています。
しかし、その風合いを重視されたりする場合(写真展示等)には、よく使われる事があるようです。
通常は、そのプリンタの色域が大きく反映できる光沢系をお勧めします。
用紙の手触り 厚み こしの強さ(弱さ) 光沢感 費用など 実際に印字し 触ってみて お好きなものを選択して下さい。
光沢感については、光の反射に個性があったりもしますので、斜めから見たりしても 確認して下さい。
用紙の選択では、ありませんが、プリンタードライバーに、解像度の設定や、双方向印刷が選択できる場合があります。
これらは、印刷品質及びプロファイルにも影響しますので、注意願います。
私の場合には、大量印刷用(写真のインデツクス等)には低解像度でのプロファイル、少量部数で作品あるいはお客様提供用には高解像度でのプロファイルと、使い分けています。