Nikon D6の動態撮影能力をミラーレスで再現

BALEET[バレエ] PHOTOGRAPH[写真]

ミラーレス最大の決定は、見ている画像と撮られた画像の時間的な遅延にあります。その他の問題としては、電子シャッター時のストロボ同調速度やフリッカーの出やすさ等があります。

特に画像遅延問題に関しては、Nikon D6を100のパフォーマンスとした場合、私の知る限りでは、E-M1Xが92点ぐらいの出来かなぁの経験があります。
α1やR5は触った程度では、かなりやりそうと言う思いがありますが、同業者からの報告では、まだまだらしいです。

特に R5に関しては、動画でなくスティル撮影でカメラ連射していないのに、熱問題で止まってしまって、撮影できないというとんでもない問題が報告されています。
いかに良いカメラでも、止まるというのは、我々の業界では使えません。

最近のカメラは、Nikonにしてもそうですが、全体的な品質がよくありません。
あまりにも機能が豊富になり全ての項目が徹底的に品質評価されていないばかりでなく、設計仕様に関しても不整合がある物が多くなって来ていると感じます。

以下動態撮影と言っても今となっては、その動態撮影領域の中でも、一番シビアな業者レベルでの話しで、一般的な素人や連写撮影する人向けの話題ではありません

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Nikon D6 VS Nikon Z6Ⅱ動態撮影 事例

65インチモニターにバレエパフォーマンス流して、それをD6とZ6Ⅱで撮影した比較を以下に掲載します。
比較画像は、全て左がD6、右がZ6Ⅱです。

A.

コツペリアの一番有名な女性バリエーションで足をアラセゴンに上げた箇所です。
それほど早くない箇所ですが、D6では足が上がって止まった瞬間を狙う事で撮影が可能ですが、通常のミラーレスの撮影では、これがなかなかに厳しい。止まった瞬間はかなり難しい事です。
ここでは、D6とZ6Ⅱの差異は 0 と思えます。
動態撮影には弱い部類と思いますが、Z6Ⅱでも問題はありません。

B.

次にグランパディシャ。
ここでは後ろ足タイミングで撮っています。
前足は、TV撮影の為にブレが大きくなっています。
ミラーレスでもタイミングを計れば、グランパディシャは撮れるのですが、D6では、前足タイミングでも、後ろ足タイミングでも、特にタイミングを気にせずにファインダーの中で確認して、撮影できる事が最大の利点なのです。
ミラーレスでは、D6のように気楽に、前足、後ろ足のタイミングをキチッとそれぞれ撮るのは至難の業でしょう。
ここでも、D6とZ6Ⅱの差異は 0 と思えます。

C.

男性のアッサンブレ・アントルシャ・シス。
もちろん、足が交差している瞬間を狙うのが常道です。
かなり足の動きが速いのですが、これをミラーレスで狙うのは、シビアにタイミングを見計らってシャッターをきる必要があります。
D6でもある程度はタイミングを見計らう必要がありますが、そのタイミングを見計らう時間は、ミラーレスと比較すると非常に小さい事です。

ここでは、D6とZ6Ⅱの差異は、TVでの写りにもよりますが、少しだけミラーレスの方が遅いかも知れませんが、この程度撮影できていれば問題ないでしょう。

ミラーレスでの動態撮影

上記例のように、動態撮影が苦手なZ6Ⅱでさえ、D6のシャッタータイミングレベルで撮影できる基本性能がある事がわかりますし、この程度撮影できるのであれば、バレエの舞台撮影は、ミラーレスだけで十分だと考えます。

ちなみに上記写真は、全て撮り直しせずに、1カットで撮ってますよ。

ミラーレスでも遅延するファインダーをのぞかずに、裸眼で被写体を見て撮れば、上記のような写真が撮れるパフオーマンスは、Nikon Z6Ⅱにはあります。
Nikonのカメラは、ミラーレス起因のファインダと実像の相違を取り払えば、シャッター押下から撮影画像の取得までは、通常の一眼レフ機(ここでは光学ファインダー機種とします)と遜色は無いのです。
Sonyなどの機種は、幾らセンサーや電子メカがよくても、この部分の出来が、例えばNikonZ50にα1が及んでいません。この事は、プロ含めてほとんどの人達に理解されていません。

種明かし

上記写真は、Nikon D6と電磁連動させZ6ⅡのシャッターをD6のシャッターに同期させて撮った結果なのです。
Z6Ⅱ側ではノーファインダーでオートフォーカスを動作させています。
その電磁連動の時間差異は、シビアな私の撮影の中でも問題ないレベルです。

D6には、10ピンターミナルにその電磁レリーズする為のモジュールを装着しておきます。
D6には、アクセサリーターミナルがあるので、それを利用する事も可能です。

Z6Ⅱには、アクセサリーターミナルに同じく電磁レリーズする為のモジュールを装着しておきます。

これで、どちら側からもシャッター連動させたり・させなかったりがコントロールできます。
カメラの台数は、合計6台まで連動させる事ができるそうです。

Z6Ⅱ側はノーファインダーなので、ピントの来る箇所が問題となりますが、それでも利用用途はかなり高いと思います。

例えば横に10人並んで踊っている人達を上手側から順に撮る場合に、下手の人達を撮る時間がなかったりする場合もあります。
そういうような場合に、下手側だけに撮影領域を限定させてオートフォーカスで撮っておけば、保険にはなると思います。
本来であれば、下手に2台、上手に2台を用意して画角を変えて設置しておけば、まさに実用レベルで使えると思います。

今後は、このスタイルを模索して行く予定です。
スティルカメラでもマルチカメラ運用という新しいスタイルを実践して行きます。

なを将来的には、遠く離れたスレーブ側カメラには、HDMI端子に動画のワイヤレス送信機を接続し、手元でオートフォーカス状態や撮影した画像内容の確認も手元で行う事も考えています。

まぁ同業者でこんな事をしようとしている人は、まずいないでしょうが、将来的には、これがスタンダードになる事も考えられます。
カメラを4台くらい用意できれば、実用できると思ってますが、初期予算が厳しいので、結果を見ながら徐々に台数を増やして行ければと思ってます。

基本的には、Z6Ⅱクラス+100-400mmのセットを想定です。

新しい撮影スタイルにGo!