バレエカメラマン

眠りの森の美女2021

Ballet Studio  KidsDanceM さんによる「眠りの森の美女」をスライドショー風にまとめてみました。

写真で綴る ロミオとジュリエット

撮影した写真でロミオとジュリエットを綴ってみました

写真の色についてⅡ

写真引用元

kidsDanceM
既に15年以上撮影で懇意にしている所で写真掲載によく使わせてもらっています。

技術内容

上記TestSample写真は、カメラの色温度を電球色にして撮ったままの画像です。
通常だとこのような画像が多いのでないかと推測します。
この写真が実際の舞台の感じがするという感想もある事は承知しています。

私がこれを見た場合、肌が赤いし、まるでお酒を飲んで酔ったようだし、衣装の白も赤みを帯びています。
本来グレーであるリノリウムも赤系統になっています。

これを以下のように現像して色のかぶりなどを撮ってみます。

こちらの写真が、お客様への納品写真になります。
あまり補正しすぎないのが、ポイントになります。

舞台上の考察課題

舞台上の光の状況を説明する為の図です。

舞台の奥にいる人達AAは、照明があたっている箇所が、下半身のみという場合が多いです。
特に発表会では、こういう位置で踊ってしまっている事もよく見かけますが、これでは、観客にもよく見えません。

また照明によっては、踊っている人のチュチュが上からの照明によって、その影が白タイツに影響を与え、まるでそれが、観客にはスパッツのように見える場合も過去にありました。
本来はこれらは、ゲネプロ時に確認を行い、照明や立ち位置の変更をすべきものです。

基本は、舞台中央で照明が十分にあたる C の箇所で踊るべきです。
こういうAAの場所の写真は、光が十分でない事や、その為に色も赤みを帯びた物になりやすいですが、それらは現像作業によって、ある程度は修正可能です。
しかし問題点は、光のコントラスト(光の強弱)が少なく、見栄えが悪い物にならざるを得ません。

また、人肌色は、照明が来ていて初めて、その生き生きさが出てくるものです。

よくソロバリエーションに多いのは、舞台脇後方から B のような所から始まる場合があります。
これらも、踊りを見せるような所ではない場合は多いです。
本来であれば、舞台上で光りのある所まで移動してから、踊り出しをすべきものだと思えます。
もちろん振り付けの効果として、意識的にBから始まるという事もあります。

特に全幕物で、例えば舞台上で、メインの方が中央で踊って、それ以外の人達が、両脇に別れているパターンも多いですが、そういう振り付けをされる場合には、舞台照明効果まで意識した振り付けをされる必要があります。

プロの舞台公演の照明では、そのあたりがよくコントロールされている場合は多いですが、発表会になるとそのあたりが、あいまいだったりする事も多いです。

写真撮影では、これらを踏まえて、暗い箇所を撮影する時と、明るい箇所を撮影する時で、ある程度の露出変更作業は必要ですが、更に現像作業で、露出だけでは制御できない、色のコントロールまで実施して行く必要が発生します。

写真撮影時に、照明のあたっている所暗い所を判断して、動的に色温度や色合いを変更して行く事は、まず不可能ですので。