バレエカメラマン

表現がバレエ

[演目内容]
バレエスタジオAileさん 発表会(2012年)での創作バレエ Love of Fairy (勇気ある者たちへ)から物語の初めです。
無邪気な姉妹が、ある鏡を巡って戯れています。
背景には姉妹のお母さん。
姉妹がふざけあっていた中その鏡を落として割ってしまい、鏡に封じ込められてた邪念が出てきました。
そして物語が進行して行きます。
プロジェクターも用いた斬新な舞台映像と共に、発表会が行われていました。

[ダンサ]
子供達ダンサーなのでフルネームでは言えませんが、姉役:理奈さん 妹役:ゆきのさん です。
創作バレエの主役として、表現力いっぱいに踊っていました。

[写真的考察]
D4 + 200-400mmF4
バレエはその道具としての身体があり、その道具が最終的に演技としての表現の為に使われる事が必要です。
プロではその事は当然成さなければ行けない事ですが、発表会レベルでもやはり目標に置いておくべき事のように思います。
それがバレエを芸術ならしめている所です。

本来は舞台ばかりでなくいつものレッスンをしている時から、表現としてのバレエを意識できるようになりたいものです。
舞台で踊る時だけ表現を気に付けるような方々もいらっしゃいます。
しかし日頃のレッスンの時から、心から溢れる物を感じて踊るようにする事で、自然と顔の表情も身体の表情も訓練されて、それが舞台に出るものだと思います。
レッスンで訓練されていない事は、舞台で発揮しようがないと思うのです。

写真の彼女達は、もしかしたらこの演目は、一生に一度しか踊らないものかも知れません。
踊る才能を持っている人でも色々な理由でバレエ発表会を区切りとしてバレエそのものを辞めてしまう人も多いと聞いています。
それが現代を象徴しているのかも知れません。
しかし発表会を撮影するバレエカメラマンとしては、彼女達にとってこれが一生で最後にもなるかも知れない その一瞬を冷静に完全を期して撮影したいものです。

アラベスク

[演目]
バレエスタジオAileさん 発表会から創作バレエ Summer Dreamから
[ダンサー]
浅田 愛さん 公演セイバーブルー/三千世界の彼方/等に出演している 情感豊かなダンサーです。
演劇的な活動もされていると聞いています。

[写真的考察]
D4 + 200-400mmF4
写真撮影としては、誰もが撮れる内容ですね。
やはり、この写真もポイントは、肌色と白のロマンチックチュチュの白の再現がメインになります。
通常 舞台の写真撮影を行うと、背景の色はほとんど出ない場合が多いのです。
上記写真も、何も対処しなければ、背景は真っ暗となります。
舞台写真のポイントは、きちんと、白トビの許容範囲をどこまで許し、白の階調の部分と背景の一番暗い部分をある程度生かす事を考えて、写真全体のダイナミックレンジのコントロールをしなければならない事だと思っています。

[私的感想]
アラベスク・パンシェではここまでスピリッツしたいですね。(^^;)

創作バレエ(Aile)

[演目/主催者]
バレエスタジオ エル(Aile)主催者 阿部純子さん。
彼女創作の生バイオリン演奏の元での創作バレエ 「遙かなる弦の調べ」から「バレエを思考する」。

[写真的考察]
通常のバレエの写真ですと、背景の色もある程度出すような現像作業を実施するのが普通です。
バイオリンの単線に合わせて踊られる コンテポラリーの部類に入る ソロダンサーの写真です。
このような場合には、背景を見せる必要はありません。
撮って出しの写真でもある程度の結果は期待できるものですが、背景黒、被写体白 という場合、得てしてコントラストが強くなり過ぎたりします。
また、衣装の白の質感を出すという事も必須事項です。
白トビなどもってのほか。
スタジオ写真のような写真を心がけて現像を行うという事になります。

[トピックス]
カメラマンである私は今もバレエを習っています。
20年くらい前には「スタジオ一番街」というオープンスタジオでレッスンを受けていました。
主に子供主体という事でなく、大人がバレエレッスンをするような所でした。
逆に中学生くらいが来ると目立ちます。
その中で中学生くらいの女の子があるクラスに出ていましたが、その時のバレリーナさんが、バレエスタジオエルさんの主催者になったようです。
時は巡り中学生の女の子はバレエダンサーに、IT企業のエンジニアはバレエカメラマンに 20年という歳月は、人の強い意志の方向に人を変えて行くようです。
[ご案内]
2012年8月18日 16時30分開場 グリーンホール相模大野 にて バレエスタジオエルさんの発表会(無料)が行われます。
バレエ発表会3回目ですが、隅々まで神経の行き渡った舞台が見られると思います。