メーカへの機能要求方法

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ある日道を歩いてると電話がかかってきました。
通常時は全く電話で会話しない人、メーカのユーザ担当窓口の方からだった。
いきなり「PLIEさん、Nikon Zシリーズの撮影領域について意見が欲しい」というもの。
私は、各メーカの主要カメラを使ってきた経験がある為、そういう意見を求められたのかもと思いました。
でもね~急に聞かれてもね~
そして思いついたのは、
「星関係ですかね。他社で言えば、星にピントを合わせる為のファインダーのブーストアップ機能なんかもありまね~」
と回答したら、「そうか、星ね」

それまでNikonのサイトには星の写真がなかったが、しばらくしてから、星景の写真が掲載されるようになった。

そ以外にも、以前に、急に電話がかかってきて「今会議で、ホワイトバランス関係について打ち合わせをしているんだけど、以前、PLIEさんがホワイトバランスについて何か言ってましたよね。どういう内容でしたか」

「AWB:オートホワイトバランスでは、オートで設定するホワイトバランスを自分で、標準に対してどの程度違うかをケルビン単位であらかじめ設定しておける事」
と言ったら、後日搭載されたのは、Nikonのホワイトバランスでは、3種類のホワイトバランス(白優先:雰囲気を残す:電球色を残す)が設定されるようになりました。

メーカに機能要求をする場合、一般的なSNSなどは、基本的には参照されません。
メーカのコンプライアンス規定として、社内からそれらへの参照が規制されている所が多いと思われます。
カメラメーカはどうなのか詳細はわかりませんが、コンピュータ企業やユーザ情報を扱っている会社・部門では、一般的なSNS等は、厳密に規制されている場合が多い。
会社のパソコンから、5ちゃんねるへの書き込みなどもってのほかですよね。

カメラに対する機能要求を、そういう一般的なサイトで声を掲げても、まずは無意味。もちろんそういう内容を、一部のプロが代表して、メーカに言う場合もありますけどね。

カメラに対する機能要望は、それが全うな物であれば、メーカとしても意見を聞きたいのは当然です。

自分がメインに使ってるカメラに対しては、プロサービスの登録を行っています。
機能要望をメーカに言うには、もちろん、窓口で口頭で言う場合もありますが、口頭というのは、その情報を社内でも、開発部門にトランスファーするのに一概に良い方法とは言えません。

その為、本当に必要な要望は、明確に文章で要求するのを常としています。
現代では、メール等で文章を明確に通知すれば、ユーザ窓口部門でも、そのメール内容をそのまま社内の開発部門に送るだけで、簡単だし、こちらの要望内容が正確に、開発部門に届く可能性が大きいと思われます。

この文章で要求するという事は、メーカに本当に必要な機能を要望するには絶対必要な事だと思います。
「メーカに言うべき事は、文章で通知する」
のが基本であり、これ以外は、あり得ないと考えた方がいいと思います。

文章で機能要望する場合、明瞭・完結に要望内容を記さなければなりません。
[問題点/課題]
[改善内容]
[改善に対する背景]

という点を含んだ物でなければなりません。
そしてもっとも大切なのは、「自分だけに必要な要望でない事」が満たされている事でもあります。
たった1人しか認識しないような要望では、企業としては取り入れる率は限りなく、採用される率は少ない。

要望実施時に、自分だけでなく、他の多くの人にとってもメリットである必要を説く必要があります。
更に最終的には、その要望内容が、メーカにとっても益がなければならないと考えるます。

最近の事例であれば、以下の内容です。
[問題点]
Zシリーズを含むNikonカメラがタスカム社のDR-701Dとタイムコードシンクロができない
[要望内容]
最新世代のカメラにおいてDR-701Dとタイムシンクロできるようにして欲しい。
[背景]
Nikonには他社のように、カメラで動画収録時に、XLR端子を使う高級なマイクを接続する事ができない。これでは、動画機能としては全く不十分な機能と言わざるを得ない。DR-701Dでは、HDMI端子を利用しタイムコードレベルで、外部音声と映像の同期を合わせられる唯一の製品がある。