バレエカメラマン
創作バレエ(Aile)
2012年7月23日09:24 | コメント 入力
[演目/主催者]
バレエスタジオ エル(Aile)主催者 阿部純子さん。
彼女創作の生バイオリン演奏の元での創作バレエ 「遙かなる弦の調べ」から「バレエを思考する」。
[写真的考察]
通常のバレエの写真ですと、背景の色もある程度出すような現像作業を実施するのが普通です。
バイオリンの単線に合わせて踊られる コンテポラリーの部類に入る ソロダンサーの写真です。
このような場合には、背景を見せる必要はありません。
撮って出しの写真でもある程度の結果は期待できるものですが、背景黒、被写体白 という場合、得てしてコントラストが強くなり過ぎたりします。
また、衣装の白の質感を出すという事も必須事項です。
白トビなどもってのほか。
スタジオ写真のような写真を心がけて現像を行うという事になります。
[トピックス]
カメラマンである私は今もバレエを習っています。
20年くらい前には「スタジオ一番街」というオープンスタジオでレッスンを受けていました。
主に子供主体という事でなく、大人がバレエレッスンをするような所でした。
逆に中学生くらいが来ると目立ちます。
その中で中学生くらいの女の子があるクラスに出ていましたが、その時のバレリーナさんが、バレエスタジオエルさんの主催者になったようです。
時は巡り中学生の女の子はバレエダンサーに、IT企業のエンジニアはバレエカメラマンに 20年という歳月は、人の強い意志の方向に人を変えて行くようです。
[ご案内]
2012年8月18日 16時30分開場 グリーンホール相模大野 にて バレエスタジオエルさんの発表会(無料)が行われます。
バレエ発表会3回目ですが、隅々まで神経の行き渡った舞台が見られると思います。
Summer Dream 創作バレエ(Aile)
2012年7月23日08:53 | コメント 入力
[演目]
Summer Dream ~未来への協奏曲~ 創作バレエ
バレエ教室の発表会で演じられた物ですが、
情熱の都/希望の街/初恋の小路/追憶の丘/嵐の谷/ひまわりの道へ
という小タイトル毎に、群舞+ソロが踊られて行きます。
その作品の終わりのポーズです。
[主催者]
相模原市にある バレエスタジオ エル(Aile)さん。
今年で4年目くらいだと思いますが、主催者がイメージ豊かな方で、物語のある創作バレエに特徴があります。
主催者のイメージが、うまく生徒さんに伝わっている事が感じられました。
[写真的考察]
D3S + 200-400mmF4
発表会終盤のエピローグの最後のシーンです。
時折こういうシーンがありますが、実際的には、これの半分くらいの明るさだったでしょうか。
このポーズを撮って照明暗転。
この手の物は時々、照明がいきなり暗転になってしまったり、写真を撮影するタイミングがない場合もあるので、早めに押さえの写真を撮って、照明がじょじょに暗転して行く中で、良い感じの所をもう一枚撮影するのが、仕事としての安全な撮影と考えます。
生の舞台ですから予期しない事も発生します。
そういう予期できない事も、推測の範囲内にして仕事をして行く事が撮影の仕事という物だと考えています。
こういう物はイメージ的な写真にする事もできますが、発表会の写真ですので、個人毎のお顔がきちんと確認できるように、撮影・現像する必要があります。
見ての通り、スポットライトの中心にいる人はきちんと顔に照明が来ていますが、前2人には照明が来ていません。
これを救う為には、現像段階で最高輝度にある所と、照明の来ていない人の顔の輝度をバランスよく、明るさを再配置致します。
重要な事は、カメラまかせにせず、カメラマンが望む写真を作成するという事が、バレエの写真に関しては必要なのです。
バレエは元々非常に厳密な物です。
そういう厳密さに負けないように、更に厳密に正確性を元に撮影すべき事がバレエ写真なのではないでしょうか。
サタネラ
2012年7月8日04:24 | コメント 入力
[演目]
サタネラ。
物語としては婚約者がいる男性をサタネラという魔性の女(!)が男を奪い取ってしまうという物です。
物語の内容も内容なので、小学生などの演目には採用されない場合が多いです。
この踊りは、あくまでも女性は男性を誘惑するように、時には色気たっぷり、時には小悪魔的に誘いを装ったりという感じが出れば、良いと思っています。
発表会などでは、もっと沢山踊られる事を望みたいものです。
この踊りは、私の好きな演目の一つです。
[ダンサー]
KIDS DANCE M所属 佐藤愛美さん。
既にシニア部門ではありますが、各種コンクールで上位3位以内にも入るテクニシャンです。
彼女の踊りは非常にこなれており、自分の踊る意識と観客が見ている内容が、一致している事を自覚しているような踊りです。
[写真的考察]
D3S + 200-400mmF4
掲載写真は、バレエポーズのパの名前もないようなものです。
しかし大きなパでなく、こういうなんちゃないパの所を抜き出して撮るのがどちらかと言えば、バレエカメラマンの醍醐味であったりします。
サタネラバリエーションの冒頭部分ですが、これから始まる踊りの楽しさが伝わってくるような内容です。
観客席からは表情まで明確に見えなくても、写真であれば、後で表情まで確認できます。
こういうのも写真ならではの表現力だと思っています。
なお写真の現像においては、魔性の女(^_^)を感じさせる為に、パープルを意識的に生かすような現像をしています。
[関連写真]
実際の写真をもっとみたい方に画像を掲載致します。
最後の写真は、カメラマンの私がダンサーに注文してしまった箇所です。(すみません)
シェネで進行して途中にこういう独特なパがあるのですが、コンクールでもこのパに対してどうあるべきかがわからないような物が多いのです。
カメラマンの視点からすれば、そういう一瞬でさえお客様に見せるパ=写真のタイミングなので、そういう事を見せて欲しいという旨をゲネプロの時に彼女に言った結果の写真です。
そういう事も本番で取り込めるフレキシビリィある技術力の高さと考え方の柔軟さが、彼女の一つの良い面だと思ってしまいました。
[トピックス]
KIDS DANCE Mというバレエ教室には、かなり昔から撮影させて頂いています。
一番初めに撮影した時に、写真のダンサーが中学1年生でそれ以外生徒さんは全て小学生以下でした。
中学生1年生にしてその当時70人くらいだったでしょうか、生徒のトップに彼女がいました。
その当時から、頂点として恥ずかしくない踊りを求められているのは、どういう気持ちだったのでしょうか。
その当時お教室の先生によれば、発表会の時などは、小学生高学年はそれ以下の小さい子供達を引率等、お姉さんとしての役割が求められている事には、とても感心しました。
到底学校では教えられないこういう躾けなど、バレエ教室がバレエテクニック以外の重要な役割を持っているのも、社会貢献としての役割なのではないかと思います。